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住宅産業トピックス 2020.04.08

新型コロナ、売上減の中小企業の固都税減免

政府は4月7日、新型コロナウイルス感染症対策で緊急事態宣言を行った。同時に緊急経済対策と2020年度補正予算案をまとめ、閣議決定した。予算額は16兆8057億円。事業規模は108兆円。企業活動を管轄する経済産業省の予算額は8兆3193億円(1兆7512億円は財務省、22億円は内閣官房計上)。中小企業に200万円、フリーランスなど個人事業者に100万円の給付金の他、無利子・無担保融資制度も盛り込んだ。売上減の中小企業向け固定資産税と都市計画税を減免。売上の前年同月比2割以上減が3カ月続けば、全事業者対象に無担保かつ延滞税なしの納税猶予も行う。

税制上の措置では中小企業保有の全ての設備や建物などの、2021年度の固定資産税と都市計画税を減免する。2~10月までの任意の3カ月間の売上高の前年同期比減少率が30%以上50%未満の場合2分の1、50%以上減少の場合は全額免除とする。2月以降、前年同月比20%以上収入が減少した全事業者に対し、無担保かつ延滞税なしで納税を猶予する。法人税や消費税、固定資産税など基本的にすべての税が対象となる。

給付金は「持続化給付金」と題し2兆3176億円を確保。対象となるのは資本金10億円以下の法人とフリーランスを含む個人事業者などで、新型コロナの影響で売上が前年同月比50%以上減少している者。給付額の計算は、前年の総売上から、前年同月比でマイナス50%以上の最も落ち込んだ月間売上に12をかけた数値を引いた差額。この計算で、法人は200万円、個人事業者は100万円を上限に支払う。事務局を民間に委託し、オンライン申請を可能とすることで、申請から2週間程度での支払いを目指すという。

融資など資金繰り対策は3兆7485億円を確保。事業規模は35兆円超になる。日本政策金融公庫・商工中金等による、実質無利子・無担保かつ据え置き最大5年間の融資で12兆6000億円の融資枠を確保。「マル経」と呼ばれる小規模事業者経営改善資金の新型コロナ対策を新規に設定し、別枠1000万円も利子補給の対象にする。民間金融機関による無利子・無担保融資は都道府県が地方銀行などに利子を補給し、国が都道府県に助成する。上限は3000万円で当初3年間を実質無利子化する。

セーフティネット保証4号、5号、危機関連保証については、条件によって保証料ゼロもしくは2分の1への減免も行う。既にある債務の借り換えも対応。日本政策金融公庫等の他、民間金融機関の信用保証付き債務も無利子借り換えを可能にする。

サプライチェーン改革として2486億円を計上。住宅設備の供給遅れでも問題になった中国依存の解消へ、国内に生産拠点を移転するための建物や設備の導入経費を中小企業は3分の2、大企業は2分の1を補助。東南アジアなどに生産拠点を置き、海外サプライチェーンの多元化の費用も同様の補助を行う。

国土交通省の案件では住宅ローン減税の条件緩和を行う。消費増税に伴う措置として、住宅ローン減税の控除期間がこれまでの10年間から13年間に拡大された。この条件が12月末までの入居となっていたが、条件付きで2021年12月末まで延長となった。注文住宅の新築の場合は年内9月末までの契約、分譲住宅や既存住宅を取得する場合、増改築をする場合は同11月末までの契約の他、いずれも新型コロナの影響で入居が遅れたことが条件となる。

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