1.天然木外壁の魅力
①環境に優しく、地域活性化にも貢献
木材は、他の建材と比べて二酸化炭素の排出抑制及び炭素貯蔵ができる再生可能な素材。
木材の利用は、低炭素社会の実現につながります。
さらに、林業は地域に根差した産業ですが、後継者不足や安い輸入木材の影響で、苦しい状況に陥っています。
特に国産の木材を使用することで、林業や地場産業の活性化と、適切な森林管理につなげることができます。
木材利用でCO₂抑制・地域活性化
- 建設・製造時のCO₂排出量を抑制。国産木材を使用すれば、輸送時のCO₂排出量も削減できます。
- 樹木が吸収するCO₂は、ある樹齢で最大となり、その後は減少します。天然木を活用することで適切な森林管理とCO₂削減につながります。
- 伐採後に植林をすることで30~50年後には使用可能な、再生可能な資源。
- 木材利用が増えることで埼玉県産の地域材利用・地域活性化につながります。
②経年美で家の趣を深め、差別化にもつながる
年を経るごとに味わいを増す天然木は、一生を共にするお施主様にとっても愛着のわく素材。
また、家はその地域の景観の一部でもあります。
木目調、タイル柄など、雰囲気を似せただけのイミテーションではなく、樹齢何十年、何百年を経た天然木が持つ本物の風格や、美しさが街の表情を豊かにしてくれると考えています。
天然木の外壁はエンドユーザー様の認知がまだ低く、木質サイディングを使用した住宅は、調査対象物件の2%とわずかだったことがわかっています(令和3年度の地域工務店における木材利用実態調査報告書)。
天然木の外壁の使用は、地域密着で家づくりを行う工務店様にとって、他社との差別化を図る有効な選択肢になると桝徳は考えています。
2.気になるメンテナンス
天然木の外壁には、水に弱そう、メンテナンスが大変そう……といったイメージを持たれがちですが、再塗装や部分的に補修も可能で、一般的なサイディングと比べてメンテナンス性に優れています。
また、コストについて「チルチンびと」93号に掲載されていた内容を次章にまとめました。
コストの目安として、ぜひご覧ください。
使用者の声
- (前略)炭化させた焼き杉は、湿気・虫・カビ・菌などから保護してくれ、数十年以上はメンテナンスが不要。(建築家・東京)
- 厚15mmの杉板を南京下見張りか、縦張り(目板打ち)で使用。汚れを落とす程度で経年変化も受け入れる。今まで30年以上取り替えた例はない。(建築家・埼玉)
出典:「外壁の寿命とメンテナンスコスト」、『チルチンびと』93号 2017年9月11日 P105
3.桝徳がおすすめする天然木の外壁2選
今回桝徳が注目したのは、山林経営から製材、 木製品の製造・販売まで一貫して手がける中本造林の「焼杉」と、屋久島の森林活性化にも取り組むチャネルオリジナルの「屋久島地杉」です。
注意:防火規制のある地域では使用できない場合があります。使用可能な地域は商品によって異なりますので、詳しくはお問い合わせください。また、自然素材のため木目や色彩のバラツキがございます。
中本造林株式会社
一貫生産の高品質な焼杉
焼杉のトップメーカーであり、国内シェア約40%を誇る中本造林は、原材料の仕入れから出荷に至るまで一貫生産システムを採用。
杉の焼き加工、ブラッシング、塗装も自社で行い、高い品質を保ちます。
焼杉(15mm)無塗装<外装用>
チャネルオリジナル株式会社
屋久島地杉
世界自然遺産に登録されている屋久島。
登録区域は島の約20%に限られており、それ以外の土地に植林された杉は「屋久島地杉」と呼ばれ、現在は樹齢30〜70年に達しています。
良質な杉材であるだけでなく、屋久島の林業再生にもつながるとして注目されています。
屋久島地杉の特徴
■ 強度が高い
屋久島地杉の強度(ヤング係数)は一般的な杉の約1.2倍!
■ 油分が強い
通常の杉と比べて、芯材部分に油分含有量が多いため、耐久性・耐候性に優れています。
■ アロマ成分が多い
本土の杉と比べて、有効成分を多く含み、リラックス効果やダニ・蟻などの繁殖抑制効果に。
窯業系サイディングと比較!トータルコスト
※金額は、「チルチンびと『地域主義工務店』の会」会員社へのヒアリング調査をもとに算出。条件は木造在来工法2階建て、延べ床面積約40坪、外壁面積165㎡とした。
出典:「外壁の寿命とメンテナンスコスト」、『チルチンびと』93号 2017年9月11日 P100-P102
新築時コスト+メンテナンスコストを考慮すると、天然木の外壁のトータルコストが低いことがわかります。
※上記は一例です。天然木の外壁についても、定期的な点検をおすすめしており、適宜メンテナンス費用がかかる場合がございます。
4.広島の中本造林㈱様を視察
7月10日、11日に、さいたま家づくりネットワークの皆様が、広島にある、中本造林株式会社様を視察されましたので、ご紹介いたします。
中本造林株式会社とは
1959年創業の建築用自然素材メーカーで、植林から出荷まで一貫生産を手がけています。
木の生育から携わることで、多様なニーズに応えるとともに、より高品質な木材の生産を目指しています。
【視察の様子】
各工程での熟練工による検品体制、特に「天日干し~人工乾燥」までの徹底した品質管理に脱帽でした。
さいたま家づくりネットワークとは
少子高齢化や環境・エネルギー問題など、住生活に関わるさまざまな課題に、地域全体で取り組んでいます。
地域材の供給から設計・施工に至るまで、関連事業者が緊密に連携し、地域型住宅の安定的な供給を推進しています。
また、会員企業の社員の知識や管理能力、企画・営業・経営力の向上を目的に、各種勉強会や情報交換の場も積極的に設けています。
掲載情報はもちろん、その他の商材についても
桝徳までお問い合わせください。